プロジェクトを失敗させないヒント12『PMOは変幻自在なカメレオン』

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    『プロジェクトを絶対に失敗させない!やり切るための100のヒント』とは

    『プロジェクトを絶対に失敗させない!やり切るための100のヒント』とは

    本記事は、プロジェクトを成功させるために必要なノウハウを、数百の支援実績経験をもとに記述した『プロジェクトを絶対に失敗させない!やり切るための100のヒント』より、 1つずつヒントをご紹介していく企画です。プロジェクトマネジメントについて、何らかの気づきを得るきっかけになれば幸いです。

    当社はプロジェクトマネジメントの知識と経験を有し、皆様のプロジェクトが成功するお手伝いをさせていただいております。 プロジェクトマネジメントに関する疑問や課題がある方、成功への道筋をお探しの方、どうぞお気軽にご連絡ください。
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    ※『プロジェクトを絶対に失敗させない!やり切るための100のヒント』をPDFまたは電子書籍でダウンロードできます


    プロジェクト管理を行ううえで雑多な仕事もたくさんあります。それらの仕事を片付け、プロジェクトマネジャーを支援するのもPMOの重要な役割です。しかし、ベテランのPMOスタッフが、細々とした事務作業を受け持つのは、どうにも費用対効果が悪い。そんな時、プロジェクトに参画している庶務スタッフを巻き込み、PMOスタッフとして組織化するのも手です。

    「このマスタースケジュールは古くないか。この前のミーティングで設計スケジュールの変更が承認されたはずだけど」「もういない人の名前が組織図に残っているけれど、更新してくれないか」─。たくさんの検討会議に出席し、議事録を取り、課題の調整にひた走っていると、一度作ったドキュメントの更新までなかなか手が回らず、古いままになっていることがよくあります。更新しなくても何とかなると思ったら、優先度が低くなってしまい、手を付けるのが一層遅くなります。これでは、いずれ問題が大きくなります。

    特にプロジェクト共通で使用するドキュメントは、適宜更新しなくてはなりません。新メンバーが参画する際にプロジェクト全体説明のオリエンテーションを行いますが、ドキュメントの更新を怠っていると、情報が古いまま伝達されてしまいます。小さな問題のようですが、こうしたミスコミュニケーションが積もり積もれば、全体として大きな無駄につながります。

    ミスコミュニケーションが今後拡大していきそうなら、PMOは早期に対策を考えなければなりません。ただし、だからといってPMOのリーダークラスの人が、細々としたドキュメントの更新に時間や労力を割くのは無駄です。外部のコンサルタントを雇い、PMOのサポートを依頼する場合もありますが、この手の機械的な作業に注力してもらっても費用対効果が悪すぎます。

    このようなケースでは、プロジェクトにいる庶務スタッフに協力を求めるとよいでしょう。PMOは目の前に起こりつつあるプロジェクトマネジメントの課題に対して、変幻自在に対処していくべき組織です。PMOのメンバー構成についても、それは言えます。

    プロジェクトがある程度大きくなれば、プロジェクトの事務・庶務を担当するアシスタント的なスタッフが必要となります。顧客企業側から人を出すこともあれば、システムインテグレーター側から人を出す場合もあるでしょう。いずれにせよ、この庶務スタッフには、プロジェクトメンバーの入出管理や文具類などの備品管理、プロジェクトが属する企業内での事務作業(予算管理など)などを依頼することが多いと思います。

    庶務スタッフの仕事にはプロジェクトに直接関わらない作業も含まれていますが、冒頭で紹介したような「組織図の更新作業」は入出管理と密接に関係していることが分かります。庶務スタッフと言えど、プロジェクトマネジメントとの接点は多いのです。

    庶務スタッフをPMOに巻き込む

    この点にもっと注目して、庶務スタッフをPMOのスタッフとして組織化していくことを考えてみてください。庶務スタッフの本来業務の延長線上にPMOの仕事があるのですから、それほど難しいことではありません。

    その際、庶務スタッフをPMOのスタッフとして正式に位置付け、庶務スタッフに受け持ってほしい役割や日々のルーチンワークを明確に定義することが重要です。プロジェクト全体を見てもらえるよう、意識合わせと動機付けを行うためです。庶務スタッフの意識を高めることで、積極的にプロジェクトマネジメントにも取り組むことができ、プロジェクト共通ドキュメントの更新に限らず、様々な役割を担ってもらえるようになります。庶務スタッフが顧客側から来た人であれば、コスト負担の調整が必要ですが、庶務スタッフはPMOにとって戦力になり得る存在です。